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アテネオリンピックを観て感動しました。特に、女子柔道や女子レスリングでの女性の活躍には目を見張るものがありました。ところで、こういった格闘スポーツが女子のオリンピック種目に採用されるようになったのは最近のことのようですが、それはやはり、男性と女性では向き不向きがあるからなのでしょうか?

私が指導しているクラブでは定期的にメンバーさんの体力測定を実施しており、有酸素能力や筋力などの変化をデータで確かめています。運動が健康・体力づくりに役立つことを多くの人にもっと認識してもらうためにも、これらのデータを有効活用したいのですが、実際にどのように用いればよいのかがわかりません。ぜひ教えてください。
アテネオリンピックを観て感動しました。特に、女子柔道や女子レスリングでの女性の活躍には目を見張るものがありました。ところで、こういった格闘スポーツが女子のオリンピック種目に採用されるようになったのは最近のことのようですが、それはやはり、男性と女性では向き不向きがあるからなのでしょうか?

 オリンピックには感動させられましたね。毎日寝不足が続いていました。今回のオリンピックでは、全選手の活躍も立派なことながら、確かに女性の活躍も目立ちました。女子柔道や女子レスリング、そして女子マラソンでも大活躍でした。
 ところで、これらの競技がオリンピック正式種目に採用されたのはまだ最近のことで、女子マラソンは1984年のロサンジェルス大会、女子柔道は1992年のバルセロナ大会、そして女子レスリングは今回のアテネ大会からとなっています。こういった過酷な競技、あるいは格闘スポーツが当時まで女子種目として採用されていなかった背景には、女性の競技人口が以前は少なかったことも挙げられますが、一方で、これには生理的な適性も実は関与しているのかもしれません。
 アメリカ・ニュージャージー州のプリンストン大学の研究によれば、男性ホルモンであるテストステロンには痛みを緩和する働きがあることを突き止めました(ネイチャー・インターネット版2004年7月)。テストステロンを与えられた実験動物では、対照群と比較して、3倍もの長い時間痛み(実験では熱湯)に耐えることができ、逆にこのホルモンの働きを抑制する薬品を投与すると、ずっと低い温度でも痛みに耐えることができなかったと報告されています。どうやら、テストステロンは、鎮痛作用のあるエンケファリンやエンドルフィンなどの体内麻薬様物質分泌の引き金になるようです。
 このように、痛みや苦痛を多く伴うスポーツや競技では、男性ホルモンの働きの点からすると、男性のほうが女性より有利と言えそうです。研究者らは、テストステロンの働きにより、男性は人類の歴史の中で敵と戦い、その痛みに耐えることができたと述べています。しかしながら、たとえば、分娩中に血を見ただけで卒倒する男性もいれば、痛みに耐えて何人もお子さんを出産された女性もいたりと個人差も大きいようです。また、オリンピックに見られるような昨今の女性アスリートの活躍からすると、男性も男性ホルモンばかりに頼ってはいられないようです。

私が指導しているクラブでは定期的にメンバーさんの体力測定を実施しており、有酸素能力や筋力などの変化をデータで確かめています。運動が健康・体力づくりに役立つことを多くの人にもっと認識してもらうためにも、これらのデータを有効活用したいのですが、実際にどのように用いればよいのかがわかりません。ぜひ教えてください。

 私たちフィットネス指導者が健康・体力づくりに役立つ運動の価値を誰よりもよく理解していることはもちろんですが、それを多様な価値観や生活環境をもつメンバーさんに伝え、さらに継続して運動を実践していただくためには、まずは運動の有効性を十分に認識していただくことが重要です。そのためには運動実践にあたっての目標設定、運動内容の選択、運動効果の確認、運動目標の再設定といった一連の指導が必要です。ところが、メンバーさんの中には具体的な目標などを持たずただやみくもに運動しているだけ、気づいてみるといつの間にか体重が減っていた、筋肉がついたような気がするといった状況が多いようです。これでは運動の有効性を客観的に認識できず、また、より効果的・積極的な運動への取り組みも実践できず、結果的に運動継続への支障さえ起こりうると考えられます。
そこで、ご質問をいただいた方が指導されているクラブのように定期的に体力測定を実施されているのであれば、体力測定を受けられるメンバーさんには目標設定と前回とのデータ比較による効果の確認といった個別指導を行い、一方で、3ヶ月、6ヶ月、1年などの期間で体力測定結果の年代別、運動種目別、体力指標別平均データをまとめて公表することもよいかと思います。そうすればメンバーさん自身の目標設定や動機づけに役立ちますし、運動の有効性の認識向上にもつながります。
 ただ、研究室の管理された研究と違って、個人差の大きいメンバーさんを対象とするため、運動効果の因果関係を明確に把握することは困難です。しかし、長い目で見れば体力測定から蓄積された多数のデータを集計すること自体立派な研究になりえますし、フィットネス指導の成果を検討し特色あるプログラム作りを行う上でも有用な資料になるかと思います。将来的に、クラブを選ぶ際の基準として、こういった運動効果の客観的データが比較されるようになるかもしれません。

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