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脂肪を燃焼させるためにはどのような運動がふさわしいでしょうか?

子供のときに太っていたら、大人になっても太りやすいというのは本当でしょうか?

運動によって燃焼される脂肪は、皮下脂肪からでしょうか?内臓脂肪からでしょうか?同時なのでしょうか?また、皮下脂肪はどこから燃焼されるのでしょうか?

少し前に、筋肉に電気を流してトレーニングする機械が流行していましたが、あれを使うと本当に宣伝どおり筋力アップしたり、脂肪が燃焼したりするのでしょうか?

(私が指導している)メンバーさんの中には減量やダイエットを目的にエクササイズに励む方が多くおられます。でも、どなたも本当にダイエットが必要なのか疑問なぐらいオーバーウェイトには到底見えません。エクササイズに励まれるのはよいのですが、フィットネス指導者として、正しくアドバイスすべきですよね?!

新しい年になり、今年こそはとフィットネス目標を立てがんばりたいと思っています。でも、年末年始で食べ過ぎてしまい、ちょっとオーバーウェイト気味。幸先の悪い話ですよね。さっそくダイエットでも取り組もうかと雑誌の特集記事などを眺めていますが、どれもこれもいいことばかり書かれていて、どれが本当によいのかわかりません。アドバイスいただけますか?

食欲の秋です。暑い夏場は敬遠しがちだったこってりした料理が食べたくなってきました。でも、たとえ食欲の秋だからと言って、脂肪の多い高カロリーの食事ばかりとっていられませんよね。とはいうものの、食欲がドンドンわいてくるこの季節、どうしても我慢できません!高カロリーの食事をとっても太らない何かよい方法はないでしょうか?

エクササイズを行うと、決まってその後にお腹がすきます。しかも、通常よりたくさん食べてしまいます。せっかくエクササイズでカロリーを消費しても、食べ過ぎたら意味ないですよね。だったら、エクササイズをしないほうが食欲を抑えることができるのではないでしょうか?

(私が指導している)メンバーさんの中に、毎日積極的にトレーニングしているのにもかかわらず筋肉がつきにくいと悩んでおられる方がいます。また、周りには、いくら食べても太らない人や食べたら食べた分だけて太ってしまう人もいます。これってもともとの体質や素質の影響でしょうか?

(私が指導している)メンバーさんの中に、いくらエクササイズをやってもぜんぜん体重が落ちないと悩んでおられる方がいます。いつも一所懸命レッスンに参加されているのですが、確かに以前と変わりないようにも思えます。生まれつきの体質や遺伝のせいとも言いますが、本当なのでしょうか?

(私が指導しているメンバーさんから)運動不足が原因で体重が増えて困っているという相談を受けました。普段知る限りではけっして運動不足とは思えません。こういった方には、どのようなアドバイスをしてあげればよいでしょうか?

ダイエットに取り組む方には糖分を控えている場合が多いようなのですが、脂肪を燃焼させるためには糖分が必要だと聞きました。その理由を教えてください。

脂肪のつき方には男女差がありますが、その違いはどうして起こるのでしょうか?また、有酸素運動によって脂肪が燃えるといいますが、皮下脂肪と内臓脂肪の燃え方にも男女差はあるのですか?
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脂肪を燃焼させるためにはどのような運動がふさわしいでしょうか?

 「ゆっくり長く行う運動のほうが激しい運動より脂肪をたくさん消費する」とは、一般によく信じられているところです。「スローライフ」、「スローフード」、そして「スロートレーニング」などの取り組みがあるように、いずれもゆっくりと行うことにより新たな価値を生み出しているようです。
 脂肪を効率よく燃焼させるために低い負荷の運動を取り入れる場合が多いようですが、気を付けなければならないことは、低負荷の運動が必ずしも高負荷の運動よりたくさんの脂肪を消費するとは限らないということです。
 強度の低いゆっくり長く行う運動では、強度の高い運動と比較して運動中のエネルギー消費量全体に対する脂肪消費の割合が大きくなります。また、逆に糖質への依存度は低くなります。しかし、たとえ総エネルギー消費量に対する脂肪利用への依存度が大きいからといって、これがただちに脂肪消費量も大きいことを示すわけではありません。もし、強度の低い運動(活動)が最も多くの脂肪を燃焼させることができるとするなら、脂肪利用率の最も高い「睡眠」が脂肪燃焼に最も効果的ということになるでしょうか。しかし、眠るだけで目に見えるほどの体脂肪が減少することは現実的にありえませんね。
 Rosenbergerら(2005年)は、8キロのランニングにおけるエネルギー消費量と糖質・脂肪消費量を異なる2つの走行スピードで比較しました。走行スピードが速ければ、当然、総エネルギー消費量は大きくなりますが、その違いは糖質の消費量の違いであって、脂肪の消費量には差が見られませんでした。つまり、走行スピードの速い高強度の運動であっても、低強度の運動と比べて脂肪消費量が低下するどころか、ほとんど変わらないことを示しています。
 このように、効率よく脂肪を消費することを目的に行うならば、ゆっくり長く行う運動でなく、総エネルギー消費量も高い高強度の運動のほうが実は適していると言うことができるかもしれません。しかしながら、ゆっくり長く行う運動は、脂肪を燃焼させるといった期待以上に、健康に関わる恩恵(心臓循環器疾患等の生活習慣病予防など)を得る目的では非常に有効です。また、高強度の運動では負担が大きすぎる場合もあり、障害のリスクや運動参加への意欲の低下などの問題もあります。したがって、運動を行うことの目的や運動暦、体力レベルなどに応じて運動の方法を選ぶことが肝心です。持続可能な「スローフィットネス」が大切ということかもしれませんね。
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子供のときに太っていたら、大人になっても太りやすいというのは本当でしょうか?

 石川県で実施された20年間にわたる追跡調査によると、対象者2314人の20歳のときにおける体格指数(BMI)は、同じ対象者が3ヶ月、12ヶ月、3歳のときのBMIと正の比例関係にあり、特に3歳のときのBMIとの関係が最も大きかったと報告されています(Tsukadaら、2003年)。加えて、3歳のときのBMIが高く肥満だった子供では、その30%が20歳になった時点でも肥満状態にあることが示されています。また、3659人を対象としたたフィンランドの調査でも同様に、幼少期(7歳)にBMIが高かった子供では、60歳を超える高齢になっても肥満である割合が、BMIの低かった子供の3倍も高かったことが示されています(Erikssonら、2001年)。
 どうやら、子供の頃の体型は大人になっても受け継がれる可能性が高いようです。ところで、体脂肪の増え方には二通りあると言われています。一つは、脂肪細胞の数が増える増殖型、もう一つが脂肪細胞のサイズが大きくなる肥大型です。増殖型は主に乳幼児期に、肥大型は主に成人期以降に見られ、乳幼児期に増殖型によって体脂肪が増えると、成人期以降の肥大型と重なってより太りやすい傾向にあると言えるかもしれません。また、子供のときに脂肪細胞数が増えて太ってしまい、その後減量しても脂肪の大きさこそ小さくなるものの、細胞数はほとんど変わらないとも考えられてきました。
 もっとも、最近では脂肪細胞の数は生涯を通して増えたり減ったりする可能性があると考えられています(PrinsとO'Rahilly、1997年)。研究によれば、BMIが25-30の過体重の成人女性(16-73歳)では、BMIが25以下の普通体重の者と比べて脂肪細胞の大きさに違いがあったものの脂肪細胞数には違いがなく、BMIが30以上の肥満になると脂肪細胞の数も多かったと示されています(van Harmelenら、2003年)。
 さて、アメリカの調査(対象者854人)では、1〜2歳時に肥満だった子供が20歳代になっても肥満である可能性は8%でしかなかったと報告されています(Whitakerら、1997年)。しかし、10〜14歳時に肥満であり両親の少なくともいずれかが肥満だった場合、20歳代になっても肥満である可能性は79%まで高まることが示されています。このように、子供の頃の体型の影響も無視できませんが、遺伝の影響、運動や食事の習慣の影響なども複雑に関与しているため、必ずしも子供のときに太っていたら大人になっても太りやすいとは限らないとも考えることができるかもしれません。
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運動によって燃焼される脂肪は、皮下脂肪からでしょうか?内臓脂肪からでしょうか?同時なのでしょうか?また、皮下脂肪はどこから燃焼されるのでしょうか?

 私たちのからだに蓄えられている脂肪には、大きく分けて皮下にあるものと内臓間にあるものがあります。特に皮下にある脂肪はからだ全体の脂肪の約80%を占め多いのですが、糖尿病や高血圧等の生活習慣病に密接に関係しているのは内臓の周りにある脂肪、内臓脂肪です。内臓脂肪の蓄積には、年齢、ストレス、飲酒、喫煙、運動不足、不安や抑うつなどによるホルモンバランスの変化が関与しています(Bjorntorp、1997年)。
 皮下脂肪のつきかたは、女性では臀部から大腿にかけた下肢部に多いのに対し、男性では全身にほぼ均等に分布します。ただし、肥満男性では、腹部への皮下脂肪蓄積が多くなり、また内臓脂肪も多い傾向にあります。また、男性では女性と比較して、食事から摂取する脂肪が内臓脂肪として蓄積されやすいと考えられています(Nguyenら、1996年)。
 通常、代謝が最も活発な脂肪組織は内臓脂肪であり、その次に皮下脂肪が続きます。また、皮下脂肪の中でも、腹部のほうが臀・大腿部の脂肪よりも代謝は活発なようです(Arner、1997年)。運動中では、まずは内臓脂肪から代謝され、そこから生成された脂肪酸が運動中のエネルギー源として利用されます(Rossら、1996年)。運動中の皮下脂肪の代謝では、腹部のほうが臀・大腿部よりも活発で、この傾向は男性より女性においてより顕著なようです(Wahrenbergら、1989年)。つまり、運動中、女性では男性と比較して臀・大腿部の皮下脂肪を利用しにくいと考えられます。また、男性では、女性と比べて内臓脂肪や脚部の皮下脂肪の代謝が活発ですが、一方で女性では、男性と比べて腹部の皮下脂肪の代謝が高い傾向にあります(Jensenら、1996年)。
 さらに、トレーニングを行っている女性では、トレーニングを行っていない女性と比べて、腹部の皮下脂肪の代謝が高い傾向にありますが、臀・大腿部の皮下脂肪ではトレーニングの影響は見られませんでした(Mauriegeら、1997年)。
 このように、体脂肪蓄積の傾向や運動中の脂肪の代謝には男女間の違いがあるようです。これは、最強の脂肪分解ホルモンであるアドレナリン(ノルアドレナリン)の感受性の違いによるものと考えられています。また、運動中では、男女間の違いはあるものの、共通してまずは内臓脂肪から代謝されます。これによって、内臓脂肪の減少による生活習慣病予防の効果を期待できますので、たとえ、皮下脂肪の減少が目に見えて起こっていないとしても、継続して運動を続けるメリットは十分にあると考えられます。
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少し前に、筋肉に電気を流してトレーニングする機械が流行していましたが、あれを使うと本当に宣伝どおり筋力アップしたり、脂肪が燃焼したりするのでしょうか?

 電気的筋肉刺激(Electrical Muscle Stimulation:EMS)で効率よく筋肉を動かして体脂肪の燃焼を促進!EMSで部分的に体脂肪を落としてシェイプアップ!運動が苦手・・・でも、EMSならからだを動かさずに筋力アップ!などと、つい本当かなと思ってしまうぐらい魅惑的な言葉で世に流行せしめた機器がありました。今でも使用している方は多いのでは?!
 でも、フィットネス指導者として理解しておかなくてはならないことは、本当に宣伝文句どおりの効果を得ることができるかということです。さまざまなEMS発生装置が販売されていますが、どの製品も電気的刺激を筋肉に与えることにより筋運動を促進することができるというものです。ところが、最近アメリカの食品医薬品局(FDA)より通達が出され、これらの機器の販売が法令で規制されることになりました。この根拠は、一つにEMS発生装置によってやけどや皮膚の炎症・痛みなどの症例が多く報告されたことにあります。また、テレビや雑誌で伝えられるような減量や筋量増大(たとえば「割れた腹筋」など)といった効果を示す科学的根拠がこれまでに一切明らかになっていないことも挙げられています。これによって、安全性でFDAの基準を満たさないこれらの機器の販売は違法となります。しかし、安全性でFDA基準を満たしていたとしても、必ずしも通常の運動と同等の効果が得られることは考えにくいとの見解も示しています。
 一方、怪我や筋障害などのリハビリテーションといった治療目的の使用にはEMSが有効であるとの研究報告は多く、これに関してはFDAも安全性の十分な機器の医療目的における使用に限っては容認する姿勢でもあるようです。Talbotら(2003年)は、膝関節炎を持つ高齢者34人に、12週間(3回/週)にわたってEMSを試したところ、大腿四頭筋の筋力が9%、いすから立ちあがる時間が11%増加したと報告しています。また、慢性心臓疾患の患者46人に、6週間にわたってEMS、あるいは低強度の自転車こぎ運動を行わせたところ、同等に6分間歩行の距離、最大脚筋力が増加し、大腿四頭筋の疲労感が低減したと報告されています(Harrisら、2003年)。しかしながら、EMSはこのような障害や疾病後のリハビリテーションや治療・回復促進を目的とした使用など、自らで筋肉を動かすことができないような状況では効果を発揮するようですが、健常者におけるトレーニングにおいては、その代わりを務めるほどの有効性には乏しいようです(Baxら、2005年)。
 やはり、楽してトレーニング効果を得ることはできないようですね。でも、からだの躍動感を感じ、からだを自らの意思で動かすことの楽しささえ知っていれば、こんな機器など必要ないのでは?ぜひ、みなさんから、からだを動かすことの本当の素晴らしさを伝えてあげてください。
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(私が指導している)メンバーさんの中には減量やダイエットを目的にエクササイズに励む方が多くおられます。でも、どなたも本当にダイエットが必要なのか疑問なぐらいオーバーウェイトには到底見えません。エクササイズに励まれるのはよいのですが、フィットネス指導者として、正しくアドバイスすべきですよね?!

 「男性の肥満増、女性スリムに」(日本経済新聞平成13年11月29日) 少し前の新聞記事の見出しですが、この傾向は今でも変わりないようです。平成14年度国民栄養調査によると、日本人男性の肥満者(体格指数で判定)の数は推定で1,376万人、女性では1,116万人と、男性のほうが肥満者の数が多いようです。また、20年前、10年前と比べて、男性では20歳代から70歳以上までのすべての年代において肥満者が増加しているのに対し、女性では20歳代から50歳代までの年代においては肥満者が逆に減少している傾向にあります。つまり、これは男性より女性のほうがより健康になっている証でしょうか?!確かに、生活習慣病の主因の一つである肥満が解消されれば、疾病リスクが低くなることは事実です。しかし、この背景にはもう一つの健康上の問題が隠されています。
 男性ではほとんどの年代で、その30%以上は自分のことを太っていると評価し、女性ではその比率は50%以上と高くなる傾向になります。この結果、減量やダイエットに取り組む割合は、男性でどの年代でもおよそ30-40%であったのに対し、女性ではほぼすべての年代(70歳以上は除く)で50%を越しています。つまり、肥満者の多い男性より、肥満者の少ない女性のほうが減量を行っている割合が高いということです。また、肥満者の中で減量に取り組む人も男性で64%、女性では80%となり、肥満の女性のほうがより積極的に減量に取り組んでいるようです。ところが、問題は減量の必要のない適正体重、もしくは適正より低い体重(低体重)の人が減量に取り組む割合です。女性では、なんとその50%以上の人が必要のない減量に取り組んでいるようです。しかも、低体重の人でも、実にその10%が減量に取り組んでいるというのです。
 このように男性では女性より肥満者が多く、また、まだ減量を行っていない肥満者の数も肥満者の40%近く(推定で500万人弱)いるようですが、女性では20%以下(220万人)と少ない傾向にあります。つまり、生活習慣病予防の観点から健康上のメリットを考えて減量やダイエットに取り組むべきなのは女性よりもむしろ男性であると言えます。ところが、実際に減量やダイエットに取り組む人口は圧倒的に女性のほうが多く、しかも、必要もないのに取り組んでいる人が全女性人口の50%近くいるから驚きです。
 あくまで統計上の話ですが、フィットネス指導者として、もう一度メンバーさんのエクササイズの目的を確認する必要もありそうですね。目的を間違えると得るべき健康上のメリットを得ることができないばかりか、健康を損なうリスクもあって要注意です。
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新しい年になり、今年こそはとフィットネス目標を立てがんばりたいと思っています。でも、年末年始で食べ過ぎてしまい、ちょっとオーバーウェイト気味。幸先の悪い話ですよね。さっそくダイエットでも取り組もうかと雑誌の特集記事などを眺めていますが、どれもこれもいいことばかり書かれていて、どれが本当によいのかわかりません。アドバイスいただけますか?

 ヘルスネットワーク2005年1月号の「フィットネス川柳」のページを拝見しました。面白いものから切実な思いを詠んだもの、新年への意気込みを感じるものまでさまざま。でも、100以上ある作品の中で、実におよそ4つに1つはダイエットや体型に関するものが目に留まりました。今年も、みなさんにとって「ダイエット」は大きな関心ごとのひとつといったところでしょうか。
 さて、世界のオーバーウェイトの人口は10億人以上と言われています(世界保健機構:WHO)。そして、人々の食習慣の改善を促す警鐘が鳴らされており、各国でさまざまな取り組みがなされているのは周知の事実です。その一方で、多くの企業やマスコミによって多種多様なダイエット方法が紹介され、巨大な市場を形成しています(日本国内では2000億円以上)。しかしながら、それらのダイエット方法には効用に関しての科学的根拠の乏しいものがほとんどで、これらの利用に再考の余地のあることが指摘され始めています。
 アメリカ・ペンシルベニア大学医学部の調査報告(TsaiとWadden、2005年)によると、多くの減量プログラムでは、企業の主張を支持するほどの十分な根拠には乏しいと結論付けています。一方、アメリカ医学協会誌(JAMA)に掲載されていた研究報告(Dansingerら、2005年)によると、「アトキンス」、「ゾーン」などの人気のあるダイエットプログラム4種類を160名の肥満者に実施して、1年にわたりその効果を比較評価しました。その結果、ダイエットを実施した者ではいずれも体重が減少したと報告されています。その一方で、ダイエットプログラムを継続して実施できず脱落した者では体重減少はほとんど見られませんでした。ここで、興味深いことは、この減量成果は必ずしもダイエット方法によるものではなかったということです。実際に、減量幅にはダイエットの種類による差は見らませんでした。つまり、企業の広告に惑わされることなく、どんなダイエット方法でもそれを継続して取り組むことのほうが、ダイエットの内容そのものよりもはるかに重要であることを示しているのです。
 このように、どれが効果的なダイエットなのかと思い悩むよりも、まずはご自分の最も取り組みやすい方法を選び、それを継続させることのほうが重要なようです。最も簡便な方法を選ぶわけですから続けることも比較的容易ではないでしょうか。「ダイエット 今年は 何回書くのかな」
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食欲の秋です。暑い夏場は敬遠しがちだったこってりした料理が食べたくなってきました。でも、たとえ食欲の秋だからと言って、脂肪の多い高カロリーの食事ばかりとっていられませんよね。とはいうものの、食欲がドンドンわいてくるこの季節、どうしても我慢できません!高カロリーの食事をとっても太らない何かよい方法はないでしょうか?

 あっさりした料理を選びがちだった夏の反動でしょうか。確かに、脂肪分多めの料理についつい目が行きがちなこの季節です。冬に備えて脂肪を蓄える・・・これも自然の摂理というものでしょうか。
 さて、脂肪の多く含まれる料理には比較的美味なものが多い反面、高カロリーが問題視され、巷では、「食べた料理の脂肪分を体内で包み込んで便と一緒にポイッ」といったダイエットサプリメントがあふれています。ちなみに、コップの水の中でこのようなダイエットサプリメントと油をかき混ぜると油が丸く固まる様子が広告などで示されていますが、実際にはそれが便と一緒に排泄されることはないようです。このようなダイエット商品を多種類にわたって調べた国立健康・栄養研究所の調査実験によると、実際には明確な効果はなかったと結論づけられています(日本経済新聞9月14日より)。摂取したほとんどの脂肪は体内で消化吸収されており、体重の増減にも明確な差はありませんでした。カロリーの高い料理を食べダイエットサプリメントを摂取し、それがたとえ自分自身への免罪符になったとしても、実際にはほとんどメリットはないようですね。
 ところで、実は運動がこの食事後の脂肪吸収に関連のあることを示す研究報告があります(Kolifaら、2004年)。サプリメントに頼らなくても我々には運動があるのです!この研究では、まず被験者に1時間の自転車こぎ運動(最大心拍数の75%の強度)を行わせます。そして、その14時間後に、カロリーにして35%の脂肪分が含まれる高脂肪食を食べさせ血中の中性脂肪値を測定しました。その結果、運動を行ったグループでは、運動を行わなかったグループと比較して、血中の中性脂肪値が有意に低いことが示されています。研究者らによれば、これは食事に含まれる脂肪の腸での吸収が運動によって低減されたことが理由ではないかと示唆されています。
 このように、つい食欲にまかせて高カロリーな料理を食べたからといってダイエットサプリメントを免罪符にするのではなく、日々しっかりとエクササイズを行ってさえいれば十分なのではないでしょうか。それにしても、フィットネスクラブの棚にも、こういった類のサプリメントが置かれていることにははなはだ疑問でなりませんが。
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エクササイズを行うと、決まってその後にお腹がすきます。しかも、通常よりたくさん食べてしまいます。せっかくエクササイズでカロリーを消費しても、食べ過ぎたら意味ないですよね。だったら、エクササイズをしないほうが食欲を抑えることができるのではないでしょうか?

 食欲の秋ですね。そして、運動の秋でもあります。しっかりエクササイズして、しっかり食べるにはもってこいの季節となりました。
運動を行うとお腹がすくといった経験はよくあることです。運動は、交感神経系からのニューロペプチドYというアミノ酸からなる物質の分泌を促進しますが、実は、このペプチドには食欲を高めて食物摂取を亢進させる作用があります(KokotとFicek、1999年)。おそらく、これによって運動を行うとお腹がすくといった現象が起こると考えられますが、運動後の疲労回復と栄養補給を考えると理に適っていると言えますね。ただ、ニューロペプチドYにはカロリー消費を抑える働きもあります。運動で失った必要な栄養補給ならよいですが、食べ過ぎてしまうのはちょっと問題かもしれませんね。
 一方で、運動によって食欲のコントロールを行うことができるとの報告もあります。健康指導者の中には、運動は食欲増進、摂食量増加につながり体重管理には適切な方法でないと考える人もいますが、実際には、運動を行うことによって、食欲やカロリー摂取量をある程度は抑えることができるようです(Blundellら、2003年)。また、運動によって摂取と消費のカロリーバランスがマイナスになっても、その状態を短期的に維持することができると報告されています。
 運動によるカロリー摂取量抑制作用は、運動の強度が高いほど、運動時間が長いほど大きくなる傾向にあり、また、運動直後よりも数日後に現れるようです(Kingら、1997年、KingとBlundell、1995年、Kingら、1994年)。しかも、この傾向は、運動後の摂取食物の選択が、脂肪の多い食品よりも炭水化物の多い食品を選ぶといった運動者の嗜好変化にも依存しています。これが、生理的要因に基づくものか心理的要因に基づくものかは不明ですが、運動後に炭水化物主体の食品を好んで摂取することにより、食事のボリュームは変わらないとしても食欲とカロリー摂取量を抑えることは事実のようです(Melbyら、2002年、Kirk、2000年)。
 このように、炭水化物主体の食事は結果的に体重管理につながるというのですから、やはり、運動はその直後に一時的に食欲を増進させたとしても、もう少し長い目で見れば、運動者の食品選択の嗜好を変化させて体重管理に役立つことは間違いないようです。運動の秋、食欲の秋、満喫したいものですね。
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(私が指導している)メンバーさんの中に、毎日積極的にトレーニングしているのにもかかわらず筋肉がつきにくいと悩んでおられる方がいます。また、周りには、いくら食べても太らない人や食べたら食べた分だけて太ってしまう人もいます。これってもともとの体質や素質の影響でしょうか?

 世の中、オリンピックで盛り上がっている今日この頃ですが、今回参加する日本人選手の中には親子二代にわたって活躍する選手も見られます。たとえば、ハンマー投げの室伏選手。兄妹とともに活躍が期待されています。一流選手を目の当たりにして育ち、一流の指導も受けることもできたといった優れた環境的要因も無視できませんが、彼らの活躍も親から受け継ぐ「遺伝」が「素質」として深く関与していると考える人も少なくないのではないでしょうか。
 運動やスポーツを行う上で少なからず影響する体質や素質を、遺伝的側面から説明できるようになってきたのは最近のことです。「蛙の子は蛙」と言うように、身長や体重、筋線維組成などの量的因子のみならず、代謝酵素活性や筋肥大、脂質分解などの質的因子に関しても遺伝の影響を受けることがわかってきました。たとえば、持久力に関する遺伝子として誰でも「ヘモグロビン遺伝子」を持っていますが、中には通常の2倍以上の酸素運搬能力を有するヘモグロビンを作り出す遺伝子をもつ人が実在します。また、筋肥大に関与する遺伝子(ミオスタチン)も見つかっています(Schuelkeら、2004年)。
 アメリカの国立衛生研究所(NIH)では、1500人規模の参加者を募り、筋力トレーニング効果の個人差を遺伝子の違いから判定するプロジェクトを開始しました(Thompsonら、2004年)。同じトレーニングであっても、人によっては筋力や筋量の変化に違いが見られるのを、100種類以上の遺伝子それぞれの微妙な個人間の違い(一塩基多型:SNP)によって分類しようとするものです。この結果は年内には報告されるとのことですが、これがわかれば、アスリートの素質や特定の運動への適性を判定するのに有効な手段となるかもしれません。
 しかしながら、素質や体質は遺伝によって多少の影響は受けるものの、遺伝のみによって全て決定されるものではありません。やはり、置かれた環境や意欲、努力といった要素の関与が大きいはずです。「体質だから」、「素質がないから」などと言って、努力不足の言い訳にせず、あきらめず続けて運動に励み工夫することが、結果的にフィットネスを高め、パフォーマンスを向上させることは明らかです。
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(私が指導している)メンバーさんの中に、いくらエクササイズをやってもぜんぜん体重が落ちないと悩んでおられる方がいます。いつも一所懸命レッスンに参加されているのですが、確かに以前と変わりないようにも思えます。生まれつきの体質や遺伝のせいとも言いますが、本当なのでしょうか?

 運動をいくら熱心に行っても、いっこうに体重が減らないと言っている方はけっこうおられるように見受けられます。しかし、運動を行うだけで、食事の管理のほうはじゅうぶんでしょうか?!運動を行ったからと好きなものを好きなだけ食べているといった現状も一方で見られるようですね。
 ところが、体重や体脂肪の減少には遺伝が関係していることが最近の研究でわかってきていることも事実です。どんなに一所懸命に運動を行っても、どんなに節制して食事の管理を行っても、本人の意志とは関係なく、遺伝子によって体重や体脂肪がコントロールされていると言うのです。
 体重に関係することで知られている主な遺伝子には、β(ベータ)3アドレナリン受容体やUCP1などの「肥満遺伝子」が知られています。これらの遺伝子がうまく機能しないとエネルギー代謝が阻害されます。また、これらの遺伝子の発現を調節するホルモンとしてレプチンなどが知られていますが、このレプチンの働きが高脂肪食やストレスなどの要因により阻害されることもわかっています。
 とはいえ、正常な遺伝情報では、体重は「肥満遺伝子」によって微調節され適性範囲内に維持されるようになっており、むしろ体重の増減により食欲がコントロールされていると考えられています。たとえば、食べ過ぎて体重が増えるとそれ以上の食欲を抑え「肥満遺伝子」により代謝が促進されます。ところが、これらの遺伝子の働きが阻害されると、本来ならば体重を維持しているはずの機能が損なわれてしまい体重が増加してしまうのです。
 ところで、2000年の国民栄養調査によると、20年前と比べて20-30代男性の「肥満」が約1.5倍、逆に20-30代女性の「やせ」が2倍に増えたとのことです。体重の増減が遺伝子により規定されているとすれば、わずか20年でこれほどの大きな変化が起こるとは考えにくいと思われます。つまり、これらには生活習慣(暴飲暴食やダイエットなど)や環境の影響が最も大きな要因になっているのです。
 また、正常な遺伝子も生活習慣や環境によって影響を受けることから、たとえ体重の増減が遺伝子により規定されているとしても、やはり、生活習慣や環境の見直しを行うことが何よりも重要です。したがって、ご質問のメンバーさんへも生まれつきの体質や遺伝などとあきらめず、もう一度、運動の行い方や食生活の再点検を行うようアドバイスされてはいかがでしょうか。
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(私が指導しているメンバーさんから)運動不足が原因で体重が増えて困っているという相談を受けました。普段知る限りではけっして運動不足とは思えません。こういった方には、どのようなアドバイスをしてあげればよいでしょうか?

 年末年始でついつい食べ過ぎ飲み過ぎ。普段通っているフィットネスクラブも年末年始で休業。どんどん増加していく体重計の数字。これまで1年間の苦労が無駄になると心配されたメンバーさんもいたのではないでしょうか。
体重を気にしてフィットネスクラブへ通う人の中には、仕事からのストレスやつき合いでつい食べ過ぎ飲み過ぎたり、忙しくてクラブへ行く時間が少しでもなかったりすると、そのあとの運動が過激になるフィットネス・クレイズ(熱狂者)や、週刊誌や巷の情報にすぐに飛びついて無闇にダイエットに取り組む人もけっこういるようです。
 また、体重を気にすればするほど「ダイエット成功間違いなし!」などといった謳い文句につい惹かれてしまうのがダイエットを行う人の心情というもの。そして、そのダイエット方法に非現実なまで期待を託してしまうのが心理。期待からくる一時的な気持ちの高揚によって、たとえそれが失敗に終わっても、また新たなダイエットに取り組む傾向にもあります。そのときはさらに期待が高まるのも事実。また、ダイエット方法の欠陥を認めるのではなく、自分の努力が足りなかったと自責するのも極端にダイエットを行う人の顕著な傾向です。そして、さらにエスカレートして運動やダイエットにのめり込んでいくようです。
 カナダ・トロント大学のJanet Polivy教授はこういった行動学的傾向を「虚偽期待症候群(False-Hope Syndrome)」(2001)と呼んでいます。研究によると、ダイエットに失敗しては繰り返し取り組む人では、生活に満足していなかったり、体型に異常な関心をもつ傾向が強いと報告されています。また、これらの人では、ちょっとしたことで不安がったり落ち込んだりする傾向が強いようです。運動やダイエットを行うことに過剰な期待をもつことで、心のより所を見つけ出していると言えるのかもしれません。運動不足ではないのに、極端に運動を行おうとする人もこの傾向にあるようです。
 こういった方々へのアドバイスには難しさもありますが、まずはこれまでの努力を評価してあげることと、その成果をほめてあげることが大切ではないかと思います。また、何でも極端はよくないことを十分に説明してあげることも大切でしょう。そうすることにより、self-esteem(自尊心)を高めてあげることができると思われます。
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ダイエットに取り組む方には糖分を控えている場合が多いようなのですが、脂肪を燃焼させるためには糖分が必要だと聞きました。その理由を教えてください。

 焚き火をイメージしてください。火をおこす時、薪を燃やすために、まずは小枝や新聞紙などから燃やして、徐々にその火を薪のほうへ焚きつけていきますよね。火種がなければ薪は燃えてくれません。これを私たちの体の中の仕組みに当てはめてみますと、大きな燃料である薪が脂肪、焚きつけのための火種である小枝や新聞紙が糖質(グルコースやグリコーゲン)になります。糖質自身も火種としての役割だけでなく燃料としてもエネルギーを供給しますが、体内に蓄積されている量は脂肪に比べるとわずかです。小枝や新聞紙だけでお米を炊こうと思っても簡単にはいきませんね。多くのエネルギーが必要な時は薪(脂肪)を利用しない手はないのです。
 では、この仕組みをもう少し詳しく見ていきましょう。普段の生活や運動などを行う時に脂肪が利用される際、脂肪はまず脂肪酸とグリセロールに分解され、その脂肪酸が酸化されアセチルCoAに変換されます。アセチルCoAはミトコンドリア内のクエン酸回路に入りオキザロ酢酸という糖の代謝産物と結合しクエン酸に合成されます。クエン酸回路では、クエン酸は途中リンゴ酸などに姿を変え再びオキザロ酢酸となり、またアセチルCoAと結合して回路をぐるぐる回りエネルギーを生産します。しかし、クエン酸回路の入口とも言えるオキザロ酢酸が不足するとアセチルCoAを利用できずケトン体が生じ血液が酸性に傾いてしまいます。これは脂肪の「不完全燃焼」と言ってよいでしょう。実はこのオキザロ酢酸こそが「火種」であり、この火種は糖質からピルビン酸という代謝産物を経て合成されるのです。つまり、糖質がなければ火種であるオキザロ酢酸が作れず、せっかく脂肪酸から生じたアセチルCoAをクエン酸回路で利用することができないのです。
 このように、脂肪を消費して活動を継続させるためには糖質を利用することが欠かせないのです。脂肪は糖質の炎の上で燃えているのですね。
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脂肪のつき方には男女差がありますが、その違いはどうして起こるのでしょうか?また、有酸素運動によって脂肪が燃えるといいますが、皮下脂肪と内臓脂肪の燃え方にも男女差はあるのですか?

 男性はビール腹、女性は下半身太り。男性であれ女性であれ、運動不足、食べ過ぎが高じると太ってきますが、その太り方には男女差があるようですね。どうして男女間で違いが生じるのでしょうか?Jensenら(1996)の研究によると、男性では下半身の皮下脂肪の分解能力が女性より上回っていると報告されています。一方、上半身の皮下脂肪の分解能力は女性より劣っているようです。つまり、裏を返せば女性では男性より下半身に脂肪がつきやすく、男性では女性より上半身(特に腹部)に脂肪がつきやすいことを示しています。これは、エピネフリンという脂肪分解を促進するホルモンへの感受性が部位によって男女間で異なるからです。男性の下半身、女性の上半身の皮下脂肪組織では、それぞれエピネフリンへの感受性が異性と比較して高いと言えます。男性のビール腹や女性の下半身太りの正体は、それぞれの部位のエピネフリンへの感受性が低いことにあったのですね。
 ところで、生活習慣病の原因になると言われる内臓脂肪の蓄積にも男女間で違いがあるようです。先に紹介したJensenらの研究では、内臓脂肪のエピネフリンへの感受性は女性より男性のほうが高いことが明らかにされています。
 運動中はエピネフリンなどのホルモンが分泌されて脂肪分解を促進し、脂肪酸が血流によって運ばれ筋肉などの組織で消費されます。したがって、内臓脂肪でのエピネフリンへの感受性の高い男性では、運動中、女性より多くの脂肪酸を内臓脂肪から動員していると言えるかもしれません。一方で、運動中の皮下脂肪からの脂肪酸の動員は、部位によるエピネフリンへの感受性の違いにより男性では下半身から、女性では上半身からより多く行われていると言えるでしょう。この結果、運動を行って減量に取り組むものの、男性ではお腹周り、女性では太もも周りの皮下脂肪がなかなか思うように落ちてくれないことがあるのかもしれません。
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